いつどんなときでも。
そうは言っても、やっぱり今日くらいは。
初めて
「・・・ちょ・・・っ、レオリオ!」
「ん・・・?」
「どけ!やだ・・・って・・・」
今何時だろう。私が来たのが・・・夜10時。
カーテンの向こうは真っ暗闇に違いない。部屋の中でも凍えるような寒さ。
それでも今は、レオリオが上に乗っているから熱いくらいなのだけど。
”今日くらいは一緒に過ごそう”
そう言って訪ねてきたのは私のほうだった。
今日、というより来るべき新年、を一緒に迎えたくて
わざわざこんな夜遅くにやってきた。
レオリオはいつもの、いつも以上の嬉しそうな笑顔で迎えてくれた。
少し遅めの夕食をとって、お風呂にはいって。
そして今。
「だからっ、さっきから・・ん・・やめ・・・っ、あ・・・っ!」
「今日はいつになくおしゃべりだな」
こんなことをしにきたんじゃない。
私だって暇じゃないんだ。明日には帰らなければいけないのに。
怒りよりも先に、彼にとっての私の存在はこんなものなのかと思うと、悲しさがこみあげてきて、目頭が熱くなる。
それでも、そろそろ本気で抵抗しないと、身体が我慢できなくなるのは時間の問題。
――私が彼を好きなのは変わらないのだから。
「・・・・もうっ!やめろ!」
「なんだよ?」
いかにも不機嫌そうに、レオリオは身体を起こす。
「時計を見ろ!」
「11時58分」
「今日は何日だ?」
「12月31日」
「・・・っ、なにも・・・新年早々ベッドにいることないじゃないか!」
言い終わった途端に、いきなり抱きつかれる。
いつもいつも思うのだ。これは反則だと。
「なんだよ、そんなことかよ?新年だろうと何だろうと、オレにはクラピカが毎年そばにいればそれでいーの。わかったか?」
しかめっつらに、そんな殺し文句。
思わず笑ってしまった。
いつもそうだ。不安にさせておいて、予想外のこんな言葉。
「全く・・・ロマンチックとは程遠い男だな。普通は外に出て除夜の鐘でも聞くものじゃないのか?」
「だってさみーだろ?こっちのほうが断然得です」
――でもまぁ、起きたら初詣にでも行くか?
今年1年のお願い事は何にしよう。
レオリオはやはり合格祈願だろうか?
私はもちろん、去年と同じ。
起きる頃には、初日の出が見られるだろうか。
外に出て、今年最初のキスをしよう。
2006/01/01 A happy new year!
始まりの1話。どんなときでもくっついててほしい。あと、除夜の鐘につっこんだら負け。
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