好きで好きでたまらない。
言葉なんかじゃ足りなくて、唇で、体温で、伝えたい。
ふたりともそんな風に思っていたなら、それは死ぬほど幸せなこと。
くちびる
目が覚めて、おはようのキス。
ベッドの中で、もう一度キス。
キッチンで朝ごはんを一緒に作っていたら、隣から不意打ちのキス。
――危うく自分の手を包丁で切ってしまうところだった。
食器を洗っていたら、後ろから抱きしめられて、突然のキス。
そして今――
「クラピカー」
ソファに埋もれて、読書中。
金髪をさらさらと音をたてて、クラピカはふと声のするほうへ振り向いた。
「・・んっ」
本日――5回目のキス。まだ朝の10時。
「へへー。びっくりした?」
「・・・っ、いきなり、・・・」
戸惑うクラピカの隣に腰を下ろして、その小さな肩をそっと引き寄せる。
「だ・・・、だいたいおまえはいつでもどこでもべたべたしすぎなのだよ。
今日だって・・・何回キスしたことか・・・」
「キスしたりすんのにいちいち理由がいるのかよ?
そんなのさ、おまえが好きだからに決まってんじゃん。恋人に対する、オレなりの礼儀なわけよ」
そういうことを平気で言う彼に、クラピカは頭があがらない。
「おまえはキスすんのいやなの?」
「・・・・・・・嫌な理由なんて、一つもない」
「なら、いーじゃん。したくてしたくてしょーがないの」
「・・・そ、そんなの、私だって同じだ!」
きっと顔が赤いから。
恥かしくって、すぐそばの大きな胸に、顔を埋めた。
その甘い匂いに、めまいがする。
「なんか、いくらしても足りないんだよなー・・・・おまえのこと、好きすぎて。
たまにはさ、おまえから、してくれよ」
その言葉に、クラピカは顔をあげてレオリオの襟元をぎゅっと掴んで、引き寄せた。
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