疲れていたって、なにしたって。
いつだっておまえのことしか考えられない。
「おつかれさま」
夕食のカレーが作り終わった頃に、レオリオが帰ってきた。
窓から空を見上げると、もうすっかり日は暮れていて。クラピカは急いで玄関へ。
そして、ただいまとおかえりのキスをする。これが日課。
最初は恥かしがっていたクラピカも、今では二人の間の欠かせない挨拶。
しかし
今日は――
「レオリオ、おかえ・・・り」
ドアを開けた途端に、クラピカは目の前が真っ暗になった。
力なく、レオリオがクラピカに倒れこんできたのだ。
「・・・ふぃ〜・・・つかれた〜・・・」
その言葉どおり、声も身体もずいぶんとだるそうだ。
小さな肩に顔を埋める大きな体を必死に支えながら、
クラピカはとりあえず彼を引きずりながら家の中へ戻った。
「レオリオ・・・大丈夫か・・?」
「・・・あんまり・・」
「仕事・・・そんなに忙しいのか・・・・?」
「まぁ・・・最初は慣れねぇからな・・・」
「とにかく・・・どうする?風呂に入るか?もう・・・寝るか?」
どうやら彼に歩く意志はないようで。
さっきからずっとクラピカの体にしがみついている。
「ヤりたい」
「・・・・・・・・・・・・・え?」
「セックスしたい」
「・・・・な・・・っ」
「おまえを抱きたい」
クラピカは立ち止まるしかなかった。
「な・・・っ、だっ、だって、おまえ、つかれて・・」
「・・・イヤか?」
その真剣な瞳に
弱い。
「・・そうじゃ・・なくて・・・」
「じゃあこのままベッドに直行〜」
「・・・・・・馬鹿者・・・」
一緒に過ごせなかったこの時間よりも、もっと多くの時間を共有しあえるように。
「今夜も・・・寝かさねぇからな」
クラピカの耳元で、甘く小さく、囁いた。
「もう・・・・ほんとに、おまえというやつは・・・」
彼に――彼女に。
「おつかれさま」を言うのは
まだまだ先――
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