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今年も来年も。
ずっとずっと、一緒にいよう。




宝物




「おー、おかえり。早かったな」

・・・早くここに帰りたかったから、こうやって息を切らして走ってきたのに。
それくらい、察してくれたっていいじゃないか。

「おまえのことだから、早くオレに逢いたくて走ってきたんだろー?
とりあえず、風呂入って来い」

・・・なんだ。わかっているではないか。
うぬぼれるな、と軽く睨んで。
きっとこんな可愛くない仕草も
彼は照れ隠しだと思ってくれると信じている。


そうでもしなきゃ、私のこの性格に彼が愛想を尽かさないわけがないから。


「オレはさー、おまえのことならなんでもわかるんだからよ。
今なに考えてたか当ててやろうか?」

その言葉に、きっと顔が一気に赤くなった。
・・・冗談じゃない。


「なんだよ、そんな怖い顔すんなって」
おどけて笑うその顔も。
いつもと変わらないこの部屋の空気も
二人で向かい合って食べる美味しい夕食も――

ぜんぶが、愛しい。

こんな毎日が
来年も続くように。

今日は――12月31日。





・・・・・




「・・・クラピカ、起きれるか?」
目が覚めて、一番最初に映ったのはレオリオの眠たそうな笑顔。
その言葉に、私は小さく微笑んで。

窓を見上げると、まだ薄暗い。
「丁度いいな、今からだと。・・・じゃ、行くか」

彼に手をひかれて、そのまま屋根へのぼった。
外の寒さに思わずくしゃみをすると、
それを予知していたかのように肩にかけられたあたたかい毛布。


・・・やっぱりわかってない。

「あー、でもオレもさみぃから、おまえがあっためて」

抱きしめられるときの緊張感
そのあとの安心感

――私の、宝物。


私が願ったことをいつでもしてくれる。
本当に心が見透かされているように。


「・・・なぁ、クラピカ」

耳元で優しく響く声。
もうすぐ、日が昇る。


「今年もよろしくな」


・・・もちろん。

「今年も来年もさ。・・・ずっと一緒にいような」


あなたは私の願いを全て叶えてくれる。
そんなの不公平だから。
私もあなたの望むことは
全て叶えてあげたい。

できること、全てを。


「なに?願い事?んー・・・・・そうだな、おまえがオレの隣にいてくれればそれで充分、幸せだよ」


そう言った彼の胸にしがみついて。
背伸びをして、キスをした。
顔を見上げると、返ってくるのはやさしい笑顔。
それも私の宝物。



2人とも、早速明日から仕事に学校だけれど
今だけは、お互いのことだけを考えていよう。



あけましておめでとう。
今年もよろしく、世界で一番大切な人。

どうか、あなたが幸せでありますように。

2005/01/01 A happy new year!


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