一緒に過ごせる休日。
楽しみでしかたない。




休日




クラピカの仕事は精神的にもハードだが、なんといっても体力勝負である。
それはレオリオもよく知っている。

「・・・クラピカ、まだ眠いか?」
「ん・・・」

今日はたまたま二人の休みが重なって、久しぶりに二人でゆっくり過ごせる。
そんな幸せな朝だった。

夜遅くに帰ってきたクラピカは、食事もせず、着替えもせず、そのままベッドに倒れこむようにして眠ってしまった。
あとからレオリオが着替えさせたのだが、それに気付かないほとに熟睡・・・というか爆睡状態だった。

「もう朝だけど・・・ゆっくり寝てろよ。朝飯作っといてやるから」
「・・・ああ、すまない。・・・・、・・・・い・・・ったい」
「え?」
相槌を打つ為にクラピカは布団から顔を出そうとしたのだが、そのまま固まってしまった。
「か・・・・体が痛い・・・」
クラピカの顔はこわばっている。
寝違えたのか。
筋肉痛なのか。
定かではなかったが、レオリオはこんな提案をした。

「マッサージしてやろうか。体をほぐせば少しは楽になるだろ」
「ああ・・・そうだな、お願いするよ」

ささやかな気遣いだった。
オレにしてやれることはこれくらいしかない、と。

「じゃあ、そのままベッドにうつぶせになって」
レオリオの言うとおりにクラピカはさっきまで包まっていたシーツからもぞもぞと出てきて、素直に枕に顔を押し付ける。
「それじゃあ、頼んだぞ」
「まかせとけって」

そういいながらも、レオリオは後悔した。
タンクトップとハーフパンツから無造作に投げ出されている白い手足。
細くてくびれた腰。小さな背中。
――本当ならこのまま後ろから抱きしめてしまいたい。
どうしても男の煩悩が・・・・。

しかしクラピカは本当に疲れているのだ。
ここは耐えるしかない。

レオリオはおそるおそる(?)クラピカの背中に手を当てる。
やっぱり、触れているだけで温かくて気持ちがいい。

「ちょっと・・・最近腰が痛いのだよ。お願いしていいか?」
マッサージの腕に自信があったわけではない。
だがいざ始めると、クラピカはとても気持ち良さそうだ。

「どーだ、痛くないか?」
「大丈夫だ。その上をもう少し強く・・・」
「こうか?」
手のひらにぐっと力を込める。

「んっ・・・」

するとクラピカがなんとも悩ましい声を上げる。
当然背中を強く圧迫すれば少なからず声が漏れるが、レオリオにとっては喘ぎ声にしか聞こえない。
更にリズミカルに体重をかけて腰をほぐしてやると、ベッドがギシギシと音をたてる。

「あ・・・っん」

――クラピカは無自覚だ。絶対無意識だ。
だいいちオレだって背中や腰をマッサージされたら「あっっ」とか「うっ」とか声は出るけど・・・・
おまえの声・・・エロすぎ・・・(涙

しかし。
耐えろ。耐えろレオリオ。
ここで襲ったら元も子もない。
それこそクラピカにただのケダモノよばわりされてしまう。

でも・・・
ちょっとぐらいは・・・(←おいおい


「―――!!!」


ばちーん


ああ
やっぱり

「ど、ど、どこを触っている!!」
「そこにかわいいおしりがあったからつい・・・」

クラピカは飛び起きるとそそくさと部屋から出て行ってしまった。
「おーい、どこ行くんだよ?」
「散歩だっ」


「しょーがねーな、オレもついてってやるよ」


オレたちの休日は
いつもこんなかんじ。



2008/06/22
無自覚無意識の天然子悪魔クラピカ。
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