オレは色っぽい女が好きだった。
今は細くて華奢なやせた女が「いい」そうだが、オレはそうは思わない。
女らしい女が好きだった。
今まで付き合ってきた女もそうだった。


そんな自分の好みは
いつの間にか一人の女によってあっさり変えられてしまった。





アイ







そもそもぱっと見で性別がわからないなんて、ありえない。
しかしクラピカは違った。
わからないのだ。
人種が違うからとかそういう問題ではない。

どう見ても年下だし、ガキだ。
オレはロリコンでも同性愛者でもない。


いけ好かなかった。
しかしそれは信頼に変わる。
いい仲間だった。


試験が進むに連れて隣にいることが当たり前になっていた。
目線を大きく下に移さないと見えない小さな頭が、いつも左下にある。

動くたびにふわりといい香がするのも
当たり前になった。


そして仲間とは違う、別の感情を持つようになった。
あれほどむかついた生意気な態度も
かわいく思える。
中性的な声も顔も
綺麗だと思うようになった。
たまに見せる笑顔に
ほっとする。




そして今も
変わらずクラピカはオレのそばにいる。










「なあ・・・レオリオ。おまえさ、ああいうの・・・タイプだったっけ?」
「ああいうのとはなんだ、失礼な」
「もっとこう・・・ナイスバディが好きだったじゃんか」
「そーだっけ?」


そりゃあクラピカがもっと女らしくて、胸も大きくて、色っぽかったら嬉しいと思う。

でも、あの華奢すぎる細い体も、これっぽっちもない色気も、ひねくれた性格も、好きなのだ。
そしてオレを見つめるあの瞳が、いとおしい。

恋多きオレも、そろそろ身を固めるときが来たのだ。
本当に心底愛している。本当にそう思う。
これから先も変わらない。


2009/08/21

BACK