ニャア。
今日も僕は猫なりに生きてます。





愛猫







こんにちは。僕、タマです。近所の猫友達が羨ましいです。
だって、みんなオシャレな名前なんだもん。

「おいおいおまえ、タマだって?ありきたりにも程があるぜ」
「まあまあ、いいじゃない猫の中の猫って感じで」

まあ僕はオトナだから、こいつらよりもオトナだから?べつに気にしてません。バカにすんなよ!ニャア!!
・・・失礼。そんなこんなで僕の一日は始まります。


朝7時。うーん・・・眠い。眠いよ。ご主人様の朝は早い。
僕はご主人様を仕事に送り出すために仕方なく一緒に早起き。
僕は朝ごはんを食べながら新聞に目を通す。
・・・まあ、人間には新聞の上でキャットフードを食べてる猫にしか見えないんだろうけど。
これでも僕、今時の経済事情に興味あります。


ご主人様は洗面所でヒゲをそってます。
ごはんを中断してそんなご主人様のところへ擦り寄ってみる。
うーん・・・やっぱり今日も、いい男だね、ご主人様。
足も長いし背も高いし、スーツを着こなすスタイルなんかモデル並みだし。
顔を洗って歯を磨いて、ネクタイを締めるご主人様をずっと見ていた。


「じゃあなクラピカ、行って来る」
「ああ、気をつけて」


まだ寝巻きのままのクラピカをぎゅっと抱きしめて、ご主人様は笑顔だった。
そしてその後に僕のところへくる。
「タマー、いい子にしてろよ」
ご主人様の頬に軽くキスをしてクラピカと一緒に送り出す。

さいきん
ていうかずっと前から
ご主人様の「あいさつ」が、クラピカ優先になってる。
いってきますのチュウも
おかえりのハグも
ぜんぶクラピカが先。

・・・・・・ふくざつ。
猫として。





ご主人様が帰ってきたとき、僕はクラピカの膝の上だった。
クラピカはソファに埋もれてお昼寝中。
そんなクラピカの膝の上で、僕は毛づくろい中。
しめしめ、今日の「おかえりのハグ」は僕が独占できるみたい。
そう思ってご主人様に飛びつこうとしたときだった。

・・・うわっ!?
ご主人様は僕が膝の上に乗ってるにもかかわらず、クラピカをぎゅっと抱きしめてきた。
そんな僕は二人の間に挟まれて・・・く、苦しい・・・。

「ニャ、ニャア!!」
必死の叫びも
ラブラブアツアツの二人には届かなかった。


「ただいまクラピカ」
「・・・レオリオ、帰ってたのか」
「今さっきな。こんなとこで寝たら風邪ひくぜ」
「ん・・・おかえり」


僕の最近の悩みは
この二人が猫の目も憚らずにいちゃいちゃすることくらいです。
そんな僕も、恋がしたいお年頃。


2009/04/03
108お題「恋猫」の続編です。
BACK