レベルアップ 02
数日後。
「ゆかり迎えに行ってくるね!」
「おー、じゃ俺らここで待ってるわ」
「うん!」
放課後、自分たちのほかに誰もいない教室。
馨はゆかりを呼びに教室を出て行った。
「うーーーーーん」
「なんだ順平。便秘か」
「違いますから」
「どうした」
「や、確かに馨ッチ、胸おっきくなったなあーと」
「・・・!!」
「ぎゃああ!ちょ、ちょ、ま、ギブ!ギブ!!」
「貴様、馨をそんな目で見てたのか!!」
「客観的視点ですってば!俺にはチドリがいますから!」
「・・・」
「ふぅ・・・(死ぬかと思った)」
「ゆかりッチより大きくなったんじゃないっすかねー」
「どうだっていいだろそんなことは」
「え、嬉しくないんすか」
「・・・・」
「男冥利につきるじゃないっすか。なんつーか、自分色に染まったっつーか、俺が育てたみたいな」
「口を慎め!」
「へぶし」
「ったく」
「なんつーか俺、最近打たれ強くなってきました、真田サンのせいというかおかげというか」
「なら感謝しろ」
「俺のペルソナ、力も真田サンより上だしなあ、こりゃ勝てるかな?」
「・・・なんだと」
「単純に数字を競えばの話っすよ。正直魔力はかないません」
「なにがしたいんだおまえは・・・」
廊下から馨とゆかりの声が聞こえる・・・。戻ってきたようだ。
「ね、馨。明日でいいからさ、一緒に買い物しない?」
「うん!なに買うの?」
「下着!」
「うんうん!私もほしかったの」
「やっと来たか。おい、行くぞ順――」
「待ったああ!」
「お、おい!」
「身を隠してください!色っぺー話が聞けそうです」
「どうしておまえはいつもそう・・・!」
「真田サンのためを思って言ってるんすよ!」
「は!?」
「カノジョの本音は知っといて損はないッス。いいから、えーと、教卓の裏に!」
ガタガタ。
「・・・あれ?二人ともどこ行ったんだろ」
「先に帰ったとか?」
「もー、すぐ来るって言ったのになあ」
「ま、いいじゃん。なら今日行こうよ!」
「そうだね」
「それに、あれからちゃんとサイズ測ってないでしょ?」
「う、うん」
「やっぱり。ダメよサイズ合わないブラつけてたら。お店の人に測ってもらお。そんで新調すればいいじゃない」
「ありがとゆかり!」
一方こちら、教卓の裏に二人はちょうどよく隠れている。気づかれてはいない・・・。
「おおッ、これがナマのガールズトーク・・・!」
「・・・ばれたらひどい気がするんだが」
「大丈夫です、被害にあうのは真田サンだけっすから!」
「・・・(毎回そうなので言い返せない)」
「修学旅行の時思ったんだけど、ゆかりの選ぶ下着ってかわいいよね」
「マジで?ありがと!ほら、かわいいのつけて気分上がった方がいいじゃない?」
「うんうん」
「実はさー、今日買うのも、もう決めてあるんだよね!」
「ほんとに?んー、私はどうしようかな・・・」
「――じゃあさ、こういうのは?」
「え?」
(コソコソ)
「なっなんだとおお!?なぜそこで耳打ちなんだよ!一番重要じゃねえか」
「順平!声を立てるな!」
「――えぇぇえ!?」
「たまにはいいんじゃない」
「だ・・・っだめそんなの!ぜったいだめ!」
「えー、似合うと思うんだけどな」
「なんだよ!赤面するほどのチョイスっていったいなんだよ!?」
「・・・た、確かに気になるな・・・」
「ガーターベルトにTバックなんて絶対無理!」
「アレが嫌いな男っていないと思うんだけどなー」
「!!」(クリティカルヒット)
「さ、真田サン気を確かに!俺だって鼻から流血寸前なんすよ!」
「てかさあ、あたしが選ぶより先輩に聞けば一番早いんじゃない?」
「えっ」
「喜んでもらった方がいいでしょ」
「そ、そりゃあそうだけど」
「むしろ一緒に買いに行けばいいじゃない」
「できるか!!」(最大限の小声)
「あーでも今じゃ普通っすよ、カップルで下着売り場って」
「俺は無理だ!」
「ですよね・・・ムッツリですもんね」
「おまえはいつも一言多いんだ!」
「事実っすよ」
「あたしは、馨はやっぱり白が似合うと思うなー。あ、フリルとかいっぱいのやつね」
「あ、うん、一応持ってる・・・」
「そうなの?」
「先輩が、白が好きって言ってくれたから・・・」(照れMAX)
「ちょ・・・馨ッチにあんな顔させるなんて、真田サンさすがっすね」
「・・・・」(赤面中)
「じゃあ次は黒で攻めてみれば」
「せ、攻めるって」
「いつも白ならかなりイメージ変わると思うよー、レベルアップした谷間と一緒に一気に色気もアップ!」
「・・・うん、やってみる!」
「・・・順平、俺を殴れ」
「えっ」
「頼む」
「いいんすか」
「俺はこのまま自分を抑える自信がない」
「真顔で照れないでくださいよ・・・リアルに変態っぽいすよ」
「おまえにだけは言われたくない。とにかく、男ならこの気持ちがわかるだろ」
「はい、痛いほど」
「よーし、じゃあ気合入れて行くよ!」
「うん!」
「馨のためだし、応援するから!」
「ありがとゆかり!」
「もういっそのことガーターベルトセットも買っちゃえって」
「えっ、そ、それはちょっと・・・」
「ハイレグアーマー着てると思えば変わんないでしょ」
「あっ、そうかも」
二人は教室を出て行った・・・。
「助かった・・・」
「順平、殴るのは中止だ」
「・・・勝手っすね」
「変化に対応しろ」
「それにしても、ニクイっすよ真田サン」
「なにが」
「今夜が楽しみっすね!」(グッ)
もう、順平を戒めるための体力が残っていなかった。
2011/11/17
女主ちゃんはたぶんBからCになったのではないかと。
最近こういうイロモノネタの暴走が止まらない(ガクガク)
そうか、この4人が揃うから変な方向に行くんだ。ゆかりと順平は(不本意に)二人をくっつけ隊です。