決死の戦い 05
定例となりつつある、このメンツの集まりにて。
「公式にリーダーの恋人になれるのは俺達3人だけだ」
「わかってますよそんなこと」
「いきなりなんだよアキ」
「その座を狙ってこれまで幾度となく決死の戦いを繰り広げてきたわけだが」
「地道でしたね」
「まったくだ」
「今回はコミュニティで勝負しようじゃないか」
「なるほどその手がありました。というか結構重要ですよねそれ」
「結論を言わせてもらう。どこをどう考えても俺の星コミュが一番濃いだろう!!」
「・・・」
「・・・」
「な、なんだその目は」
「おまえの自信過剰は変わってねえなアキ」
「なんだと!?」
「僕の正義コミュだって負けてませんよ」
「俺の月コミュは1か月の短期勝負だったからな」
「というか真田さんがコミュの中で馨さんとどう過ごしたか、声を大にして言えるんですか?」
「どういう意味だ」
「食べてばっかりだったじゃないですか。牛丼にラーメン、また牛丼ってロマンのかけらもないですよ(ハァ)」
「それの何が悪い!一緒に食事をすることは仲を深める一番の近道だ」
「ハッ、童貞がよく言いますよ」
「なっ、なっ、おま、小学生だろ!?」
「おめえだってアキのこと言えないだろ天田」
「僕?僕も確かに食事ばかりでしたけど、夜に二人きりで、和食ですよ。おしゃれでしょ?」
「くそ、腹立つ・・・!」
「俺は散歩したり、話したりが多かったな」
「馨さんと並んで料理するなんて殺意を覚えますよ荒垣さん」
「いや並んでねえし」
「バラエティに富んでるのはシンジの月コミュか・・・クソ、俺も詰めが甘かったか」
「僕はそんな姑息な事考えるより、馨さんのペースにはまったっていうかそれが心地よかったっていうか・・・」
「お、おまえそうやって年下ぶって好感度上げるつもりだな!?このマセガキめ」
「童貞に言われたくないですよ」
「どうしてそこを突っ込むんだ!?俺たちみんな条件一緒だろ!」
「だいたいなあ、アキはこっぱずかしいセリフ言いすぎだ」
「ほんとですよ。なにが”俺のものになってほしい”、ですか」
「シンジこそ、」
「い、言うなバカ!!」
「止まんねーからな、なんて・・・俺なら言えない(嘲笑)」
「ええっ、荒垣さんそんなこと言ったんですか。嫌ですねえこれだから大人の男は」
「・・・って、てめぇら・・・」
「さっきから偉そうだが天田、おまえが一番重いぞ」
「重い?」
「僕と生きてください、なんて重いことこの上ないな」
「それだけ本気なんです。ただでさえ僕は年下ですから」
「そうやって子供なのを利用して手を繋ごうとするのはピュアとは言えない」
「部屋に連れ込む回数が一番多い真田さんに言われたくありませんね」
「なに!?」
「部屋か。そういや俺は1回だけだ」
「その1回だけであからさまな暗転シーンがあったのはシンジだけだ」
「羨ましいったらないですね」
「まあ、おめえらと違ってずいぶんしんみりしちまったがよ、後悔はしてないんだぜ・・・」
「クソ、シンジがやたら大人っぽく見えるぞ!?」
「大人の余裕ですね・・・」
「総じて恋愛偏差値が一番高いのは月コミュのようだ」
「当然だろ」
「認めざるを得ないか・・・」
「それにしても僕たちっていい具合にばらけてますよね」
「どういうことだ?」
「荒垣さんはツンデレ、真田さんはガンデレ、僕はヤンデレです」
「ちょっと待て、ガンデレってなんだ」
「僕の造語です。馨さんも引いてしまうくらいデレデレすることです。きっと流行りますよ」
「俺は馨に引かれたことなんて一度もない!!」
「真田さんは夢中になると周りが見えませんから」
「目の前の女くらいは見える!」
「にしても天田、自分のことヤンデレなんてよく言えるな」
「客観的視点が秀でてると言ってください」
「俺がツンデレとか聞き捨てならねえ」
「男でツンデレはないな」
「ですよね」
「なっ、気にしてることを」
「とにかくだ!そろそろ決着をつけようじゃないか」
「ですね」
「さっさとな」
「なんだかんだ評してきたが、結局はリーダーを幸せにできる男が誰かってことだ」
「・・・」
「つまりそれを何度も言葉にしている俺の勝ちだ」
「横暴だろ!」
「そうですよ!それくらい僕だって言いました。僕は年下だからあなたより先に死んだりしないって!」
「お、俺はそこまでは・・・」
「いいじゃないですか荒垣さんは!恋人コミュの中で一番反響が大きかったのは月コミュだって、僕聞いちゃいました」
「どの筋だよ」
「ええい、こうなったら次回作で勝負するしかない」
「次回作!?」
「ペルソナ3ゴールデンとかどうだ」
「思いっきりどこかで聞いたフレーズですね」
「しかし問題がある」
「なんだよ」
「あのテオドアもコミュに参戦する恐れがある・・・!!(下手をしたら小田桐もだ!)」
「なにぃ!?」「えぇ!?」
「前回の勝負はかなりきつかったからな、あいつの実力は相当だ」
「なんてこった、余裕こいてられねえな」
「なりふり構わずアピールするしかない」
「ちっ、ただでさえ俺は時間が少ねえっつうのに」
「だが結局最終的に選ぶのはリーダーだ・・・」
「そうですね」
「各自コミュの内容をさらに充実させる必要がある」
「宿題ってわけか」
「いいですね、やりましょう」
「追加要素のスキーイベントとかうまく使いたいものだな」
「温泉もな。今度は俺も行くぞ」
「ぼ、僕だって!」
というわけでペルソナ3ゴールデン、つくりませんか。
2012/02/28
楽しくてしょうがないよこの3人。デレの分類は独断と偏見です。