二人の王子


2年生のとある教室、窓際、とある女子二人の会話・・・。

「きゃー、綾時くんだ!」
「えっどこどこ?」
「ほらあ、あそこー」
「ほんとだー、かわいー!」


「かわいいのにかっこいいって、反則だよねー!」
「まだ転校して1週間もたってないのに、ほら、見てあの取り巻き」
「ほんとだ、真田先輩並みかもー」

「あんた、先輩のこと好きじゃなかった?」
「好きだよ!でも綾時くんもいいかなって」
「・・・節操ないわね」
「いーじゃん、どーせどっちも振り向いてくれっこないんだから・・・」

「でもさ、綾時くんと真田先輩って両方モテるけど、タイプ全然違くない?」
「わかるー!綾時くんは、ほら、あんな感じで寄ってくる女の子みんなに優しいけど、
真田先輩は見向きもしてくれないもんねー。そこがかっこいいんだけど」

「でもでもー、彼氏にするならどっちかなあー。綾時くんはなんでもしてくれそうだけど、
浮気が怖いなー。その点先輩ならいちずに守ってくれそー!」
「てか、真田先輩って彼女いるんじゃなかった?」
「えっ!?」
「なに、知らないの?噂」
「う、噂?」
「ま、あくまで噂だけどー」

「てかあやしいから噂になるんでしょ?誰?」
「わかんない」
「・・・重要なとこでしょそれ」

「真田先輩の彼女かあ・・・うーん、生徒会長だったら納得いくけど」
「なるほどねー!実際あるかも」

「じゃあさ、顔は?顔ー!」
「んー、あたしは綾時くんのがいいかも。目もとのほくろって最強じゃない?」
「それもわかるけど、バランスで言ったら真田先輩じゃない?
背も高くてスタイルいいし、顔ちっちゃいし完璧じゃない。何気に声も好きなんだー。
めったに聞けないけど・・・、あーあ、隣で名前呼んでほしいな」


「あ、やべ江古田来たよー、だるいな授業」
「せめて先生の中でイケメンがいればなー、少しは楽しいのに」
「言えてるー」

2011/09/13