恋する乙女は大変なのだ。

 


鳥肌 2

 


私はどうも
どうにも
以前よりも緋の眼が発動することが多くなった。
以前というのは、レオリオと付き合う前のこと。


いつものように、いつも通りの朝を迎えた。
誰かさんのせいで裸だったから、少し肩が冷えてしまった。
もう春本番とはいえ朝は冷えることもある。

(・・・まったく、昨夜は何時までしたと思ってるんだ)
ほんとうにこの男は。
しつこいというか・・・は、激しいというか(ごにょごにょ)

数時間前のことを思い出して赤面してしまう。
それはいつものことだった。

ふと隣で寝ているレオリオに目をやる。

(・・・うっ、ほ、発作が・・・!!!)


すなわち動悸息切れが始まるのもいつものことだった。
なにからなにまで完璧なのだ。にくらしいほどに。
少なくとも私にはそう見える。
寝ているからこそ近くでこんなに直視できるのだ。

たくましい体から目を離せない。
色気のある鎖骨も、ほどよくついた筋肉も、がっしりとした肩も、どうにもこうにも完璧なのだ。
くやしい。朝っぱらから、しかも高確率でこうして発作が出てしまうのだ。
昨夜はその長い腕で私を包んでくれた。大きな手で体中を撫でられた。
こういう時にしか出さない、格別に低くて甘い声で何度も私の名を耳元でささやいて
指を絡めとられた。
肌と肌同士で密着することで感じる高い体温も香水の混じったいい香りも
私にとっては麻薬のようなものだった。

 

レオリオと寝ることは幸せだった。
この時間がとても大切だった。
けれど彼にそんなことを悟られてはいけない。
恥ずかしい。単純に。

それでも私から彼に触れたくなることなどしょっちゅうで
今も例外ではなかった。


どうやら深く寝入っている。起きそうにない。
知らずと鳥肌がたっていた。私をここまでさせるとは
罪な男だ。


規則正しく寝息を立てているレオリオの顔に近づき、そっと頬に手を添えた。
こうして近くでみると、パーツがきれいに整っていてなかなかハンサムなのだ。
それを知るのは私だけでいい。

お互い裸のままだが、構わずに。
太い首に腕をするりと回して上にのしかかるように抱きついた。
このあたたかさが気持ちいい。とても安心する。
その幸せに浸っていた時だった。


「・・・クラピカ」
レオリオが起きてしまった。別に起きたからといってどくこともなかろう。
「朝っぱらから充血ひどいな」

レオリオは私の緋の眼を、含み笑いを込めて「充血」と呼んでいる。
ただ、ほめてくれるときはきれいだ、きれいだとほめちぎる。

「朝になっても落ち着かないほど激しくした覚えはないんだがな」
「・・・うそをつけ」
レオリオはゆっくり腕を動かしながら、微笑んでそう言った。
大好きな笑顔がそこにあった。


もうレオリオはどこをとっても完璧なのだ。
普段はだらしないとか短気だとか、そういう短所は今の私には関係ない。
というか見えていない。

触れる瞬間さえも計算されているのだと思う。
ゆっくり、やさしく。それこそ雲をつかむかのようにそっと私に触れるのだ。
しかしそれはぼんやりとしたものではなく、確かに包み込まれているという実感がある。
これを包容力と呼ばずなんというのだ。

 

めまいがする。
頭がぼんやりしてきた。
あまりに自然に、レオリオのキスが私の肌を染めていった。





お題から派生したこの「鳥肌」、くだらない私の妄想でシリーズ化していきそうで怖いです。だれか止めてください(汗
私はえろが書きたいんじゃないんです。もーたまらん色気を振りまくレオリオさんにがまんがならんのです!!
これは完全に私の妄想ですがね!!!
ベッドの中で口にした何気ないセリフひとつとってもたまらんのです!
そして相手がクラピカだからこそこんなにも病気なのです!!(オイ)

2011/4/16



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