例えば翌日が仕事でも
起き上がるのも
考えることも
本を読むことも・・・
すべてがどうでもよくなるときがある。
そんなとき、私は人間なのだと、実感する。
ゆううつ
絶不調という日がまれにある。
それは突然やってくる。
好調とはいかなくても”普通”の日があったなんて考えられないほどすべてを投げ出したくなる。
そんな日がある。
たまたま胸に小さなトゲがささったような、些細だが不快な出来事が私をイライラさせて
更に負の出来事が続く。
いつもはしつこいくらいメールをしてくるレオリオが、今日はなかなか連絡がとれない。
この頃、レオリオは今よりもさらに遠い地への異動が決まっていて、
それだけでも私には悲しいというストレスだったのに
嫌なことは、タイミングを見計らっていたかのように、続き重なるのだ。
「今日は連絡できそうにない。明日電話するから、おやすみ」
夜8時ごろこのメールが来て、それきり。
食事会を兼ねた、切羽詰った仕事ではないとは言っていたが、彼の仕事に関して邪魔はしたくない。
だから、きっと帰宅は深夜・・・もしくは朝方になるかもしれないから、
「気をつけて帰るように」・・・くらいのメールを送りたかった。
でもなかなか送信ボタンを押せなかった。
今でさえなかなか会えないというのに
ますます距離ができてしまう。
私の仕事だって、うまくいってはいない。
こんなときこそ、そばにいて、話を聞いてもらいたいのに。
普段は床にものを散らかすことはなかった。
意外と几帳面なレオリオの習慣が私にも見についたから。
食事の後片付けもすぐするようになったし、脱いだ服もシワができないようにきちんとつるすようになった。
今の私の部屋を、レオリオには見せたくない。
なにもやる気が起きない。
やり始めなければやる気は起きない、という問題以前で。
すべてを投げ出したくなるような、そんな嫌な気持ちだった。
レオリオがずっと前から欲しがっていたアロマオイルを今日やっと買ってきて
少しは女らしくなろうと、いろんなモノを買ってきて
なのに。
今はそれらさえも邪魔なものにしか思えない。
”明日電話するから”
8時にメールをもらってから
数時間、ずっとベッドの中にいる。
何百回と寝返りを打ったか。
”明日”が
いままでの人生で一番気が長くなる気がした。
早く
早く会いたいのに。
私がこんな気持ちでいるのに
どうしてそばにいてくれない?
離れ離れの私たちを繋ぐものがこの携帯電話という無機質な物体だと思うと悲しくなる。
こんなものに頼らないと彼を感じられない。
ふと思う。
私はこんなわがままじゃなかった。
こんなにも感情を抑えられなくなっていたなんて
信じられない。
苦笑する。これが恋なのか。
恋をするというのは、人間らしく生きることそのものなのだと
思うようになった。
レオリオは優しいから、その優しさに甘えて私がどんどん子どもじみたわがままを言っても、
「今まで我慢した分、いいんじゃねえの」と笑ってくれるのだろう。
そしてそこで初めて自分の愚かさに気付くのだろう。
2009/09/29
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