家賃半分の条件。女の子と暮らすこと。
オイオイ、どーなってんだよ、このアパートは。
この街で君と暮らしたい 02
部屋の中にいたのは、制服姿の女の子。金髪。・・・・・・金髪?
「・・・・・・・・・・・あ」
あのときの。
「・・・!」
どうやら彼女もオレのことを覚えていたらしく、あからさまな反応をした。
(・・・・マジ・・?)
――最近。
満員電車の痴漢から女の子を助けた。金髪の、女子高生を。
朝のラッシュ時。固まって動けない少女。その後ろのやけに息の荒い中年男性。それを見つけたオレ。世の中どうかしてると思った。
「――おい、オッサン」
スカートの中を這い回っていたオッサンの手をぎりっと掴みあげる。次の駅で警察に引き渡した。
「ったく、ああいうオヤジは一生刑務所にいれときゃいーんだよ」
「・・・・あ、ありがとう・・・」
そのとき、初めて彼女の顔を見た。
・・・・・思わず見惚れた。少なくとも、この街で一番可愛い。いや――この国、この世でか?大げさかもしんねーけど、それくらい可愛かった。
「・・・どうかしました?」
どうしたもこうしたもない。
「あ、いや・・・この電車、ああいうのが多いからさ、気をつけろよ。・・・・っ、ぅわ!?」
バッドタイミング急ブレーキ。バランスを崩して、オレはそのまま彼女の胸に飛び込んだ。
「・・・・・・・・!!!こ、この・・・っ変態――!!」
バチン。
まさか・・・こんな形で再会するとは・・・。
「なに?二人とももしかして知り合い?」
「・・・あ、いや・・」
――それにしても。
(・・・ちっちゃかったなー・・・)
柔らかかったけど、貧乳だった。いくら美人でも、オレの専門外。
「この娘ね、うちの姪。そんなわけだから、仲良くしてやってくれるかな」
いやアンタ、そういう問題じゃねーだろ?名前も知らないどうしで同居って。
「いや、無理言うなよおっさん。だいいち・・・オレ、男だし」
そう、オレは男でコイツは女。一緒に生活できるわけない。
「だってキミ、契約書にサインしたでしょ?」
――くそ、やられた。
そんな訳で。
オレと・・・・・彼女の、同棲生活が始まった。
つづく
クラピカは痴漢くらいカンタンにやっつけるだろう、というツッコミはなしでお願いします。