※真田先輩と女主ちゃんが夫婦。
※子供がいます。結(ゆい)と、護(まもる)。中学生と高校生。
※小田桐くんが月光館学園の先生です。
※妄想捏造ひどいです。OKならどうぞ!
ロビンソン 01
桜咲く季節、新しい人生の門出。
つまりは人との出会い。
初めての勤務先となるこの中学校で、私は能天気な教頭に連れられて教室に向かっていた。
「えーと、君は1年C組の副担任してもらうから」
「えぇっ!?わわわ私新米ですよ!新卒ですよ!?」
「習うより慣れろ。大丈夫、担任は学年主任の小田桐君だから」
「が、学年主任・・・」
「まだずいぶん若いのに貫録があるっていうか。まあちょっとお堅いけど、悪い人間じゃあないよ」
「はあ・・・」
「とりあえず今日は教室の後ろで見ててごらん。肩の力を抜いて、ね。君も教師でしょ」
「は、はい・・・って、もうホームルーム始まってる!?」
「じゃ、がんばってねー」
「ちょ、教頭先生・・・、・・・しょうがない、こっそり、こっそり後ろから・・・」
音をたてないように教室のドアをそっと開けて目立たないように入る。もちろん後ろから。
生徒は誰も気づいていない。ただ、教壇に立つ――おそらく小田桐先生その人はこちらを見据えた。
私は不謹慎なにやけた笑いを返す。遅れてすみません。その意を込めて。
彼は口の端を少しだけ上げて目をそらした。ちゃんと聞いていろ。そう言われているようだ。
無意識なのだろう、彼はネクタイを締め直すような仕草をして再び話し始めた。
「さて、どこまで話したかな。そうそう、君たちは一人ひとりが必要な人間で何らかの使命を持っている。
社会を構成するのは個人だからね。人を育てることが社会を育てることだ。
だから僕は教師になった。君たちの担任であることに責任と誇りを持ちたい」
きっぱりとした口調。まっすぐ伸びた背筋。何より自信ありげな顔つき。
こういうタイプは好き嫌いが極端にわかれる。しかし彼はどちらでもなかった。
生徒たちを見るその目は、ずいぶん優しげだった。
・・・
放課後の職員室。初日からクラス全員の顔と名前を一致させておこうと、生徒名簿を眺めていた。
「ん・・・?」
顎に手を当てて首をひねる。僕の目はある生徒の写真にくぎ付けになっていた。
見覚えがある。顔に。名前に。
「真田・・・」
どこにでもいる苗字だ。
しかしなんだ、このわだかまりのようなもやもやした感情は。
出席番号20番真田護。すっきりと整った顔立ち。無駄なものが何もない。
そして意志の強そうな目。そう、目だ。この瞳の色を、鮮やかな緋色を、見間違えるはずもない。
「まさか、な・・・」
僕に教師の道を示してくれた彼女はもう遠い存在だ。
きっともう、会うこともないだろう。いや、同窓会とか・・・あるかもな。
「失礼します」
職員室に入ってくる男子生徒の声にパッと振り向くと、それまで凝視していた顔と同じ顔。
柄にもなく驚いて、思わず名前をこぼした。
「・・・真田」
「ええと、担任の小田桐先生。もう名前覚えてくれたんですか」
「あ、ああ当然だ。君は僕の生徒だからな」
凛としたよどみない声。それでも「あの」真田よりかは幾分穏やかな印象だ。
いやまてよ、その穏やかさが・・・彼女のものだったとしたら・・・
それに何よりこの瞳の色。実物を見れば見るほど確証が濃くなっていく。
「僕の顔に何か」
「いや」
「そうですか」
「・・・君の」
「はい」
「君のお父上は何をされているんだろう」
「はあ。警察官です」
「!!」
「俗にいう”おまわりさん”じゃないですけどね」
彼は表情を変えずにさらりと言った。僕の頭は一気に高校時代にさかのぼる。
「あのー、僕バスケ部の顧問の先生に話があるんですけど」
「それなら・・・教官室にいる」
「どうも。失礼します」
彼はぺこりと頭を下げて職員室を後にした。
父がボクシングなら息子はバスケか。面白くもなんともないのに思わず笑みがこぼれる。
嬉しいわけじゃない。むしろ滑稽だ。自分が。
数日後提出されてくる膨大な量の書類で、彼の――真田護の両親があの二人であることを、決定的な事実として知る。
家庭訪問。参観日。三者面談。ああ、・・・頭が痛い。
一体これは、どういう運命のいたずらなんだろうか。もう彼女を「槇村君」と、旧姓で呼べない。
学年主任にまでなった僕は、どういう顔してあの二人に会えばいいんだろう。
2011/12/21
妄想をこじらせるとこうなります。小田桐くんは母校である月光館学園で働いててもいいと思う。
なんかもう、真女主前提の小田桐くんが好きすぎるっていうお話です。
参考までに、オリキャラである子供たちはこんな感じだろうっていう落書きは
コチラ。(ブログにリンクがはってあるだけなので戻るときはブラウザバックでお願いします)